視覚障害というと、どんな状態をイメージしますか?
全盲をイメージする人が多いと思いますが、いろんな見え方があるんですよ。
私自信、あまり知らないことも多いので、ちょっと勉強してみました。
全盲とロービジョン(弱視)
視覚障害とは、視力・視や・色覚といった視覚の機能が障害されて、見えない・見えにくい状態をいいます。
大きく分けると、全盲とロービジョン(弱視)の2つに分けられます。
全盲は視力が0で、光も感じない状態ですね。
ロービジョンは視覚の機能低下があり、見えにくい状態です。
厳密にいうと、ロービジョンは発症時期に関係なく、弱視は幼少期までに機能低下が起きている状態をいうのですが、ロービジョンという言葉の認知度がひくいせいか、一般的に同じ意味で使われることが多いように思います。
ロービジョンはとても幅広い!
全盲は全く見えないってことでわかりやすいですよね。
でも、ロービジョンって、機能低下ってどういう状態なんでしょう?
WHOでは、矯正した両目の視力が0.03以上0.5以下と定義されているようですが、視力以外にも色んな症状があるんですよ。
・視野狭窄
視野(視線を動かさずに見える範囲)が狭くなる。
・羞明
明るいところで眩しく感じ、視界が白くなって見えづらくなる。痛みが出たりすることもある。
・夜盲
薄暗いところで暗く感じて見えなくなる。
私が経験した症状だけでもこんな感じ。
このほかにも、
・中心暗転
中心視野が欠損して字が読めない。(周囲は見えているから歩くことへの問題は少ない。)
・色覚異常
特定の色の判別ができない、実際の色とは違う色に見える。
・変視症
視界が歪んで見える。
などがあります。
こういった症状は人によって程度も違うので、ロービジョンの見え方は本当に幅広いなぁと思います。
全盲とロービジョンの境目は?
ロービジョンは0.03以上と言いましたが、「じゃあ0.02以下は全盲なの?」と思った方いらっしゃいますよね。
私も全盲になる直前、「明るさだけは何とかわかるけど、これって全盲なの?」と思ったことがあります。
視力検査では、C のような形(ランドルト環)をを見て行いますよね?
いくら近づけても見えない時には別の検査法があって、それによって視力は数字以外で表現されます。
・指数辨
顔の前に出された指の本数がわかる。1m先なら0.02相当、0.5m先なら0.01相当だそうです。
・手動弁
目の前に出された手が上下に動いているか、左右に動いているかわかる。
・光覚辨
明暗がわかる。ペンライトを目にかざして検査する。
最初に書いたように、医学的には光を感じない状態を全盲というようですが、手動弁や光覚辨も視力としては0なので、全盲に含めて表現することもあるようです。
全盲よりロービジョンの方が多い
視覚障害にどんな見え方があるのか、少しだけイメージできましたか?
厚生労働省が発表している平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)によると、日本の視覚障害者は、身体障碍者手帳を保有している人で約31万人います。
最も重度である1級の視覚障害者は約12万人ですが、その中には全盲でない人も含まれるので、全盲の視覚障害者は視覚障害者全体の3分の1もいないんじゃないでしょうか。
私自信、自分では障害者手帳の対象になるかわかりませんでしたし、障害者手帳を取得することに抵抗がある方もいて、実際には視覚障害者がもっといると思います。
そう思うと、全盲よりロービジョンの方がかなり多いことになりますよね。
だから、視覚障害者は全盲だけではないこと、ロービジョンという見えにくい状態の方がたくさんいることを知ってもらえたら嬉しいです。
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