今日は日本点字制定記念日です。
1890年の11月1日に日本の点字がローマ字からかな文字表記になったそうですよ。
というわけで、私と点字のお話。
私が突然視力を失ってから一番最初に勉強したのが点字なんですよ。
しかも、ほぼ独学で。
私がどうやって点字を覚えたのか紹介したいと思います。
点字が読めるのは視覚障害者の1割だけ!?
全盲になってから知ったことなのですが、視覚障害者のうち点字を使えるのは1割程度だそうです。
すごく少ないように感じますよね。
でも以前の記事で紹介したように、全盲よりもロービジョンの方が多いのですから当然かもしれません。
それに、今はスクリーンリーダーという読み上げ機能で、パソコンやスマホも便利に使える時代。
OCRという、画像から文字を認識する技術も高くなってきていて、点字が使えなくても何とかなるんですよね。
私自信、網膜剥離を何度も繰り返し、徐々に視野が狭くなってきていて、そのうち見えなくなるだろうなぁと思いつつも、全盲になるまでは覚えられませんでした。
拡大鏡があれば何とか文字の読み書きができてたんですよね。
でも、全盲になって勉強し始めたら、すぐに覚えましたよ♪
50音は数字を暗記
全盲になるきっかけとなった最後の網膜剥離の時、2か月くらい入院してたんですよね。
体は元気だから退屈だし、なかなか見えるようにならないし、その間に点字を勉強し始めることにしました。
点字って、縦3×横2の6つの点で構成されているのは知っていますか?
6つの点には左上から下に1,2,3、右上から下に4,5,6とそれぞれ数字が割り当てられています。
なので、姉に点の数字を聞いて50音を覚えたんですよね。
50音のほとんどは、1,2,4の点の母音と、3,5,6の点の子音の組み合わせなので、ローマ字と同じ感覚で覚えることができましたよ。
それで早速本を読み始めました。
初めての本は『ぐりとぐら』。
視覚障害者じゃなくても借りれる点字の本を、姉が図書館でいくつか借りてきてくれて、その中の1冊が『ぐりとぐら』だったんですよね。
L点字という大きめの点字だったので、初心者にはわかりやすくておすすめです☆
でも最初から「ぐりとぐら」の”ぐ”って濁点なんですよね。苦笑
濁点とか小さい”ゃ”とかは、前後の文字から予測したり、法則を教えてもらったりしながら、少しずつ覚えていきました。
仕上げは教材と訓練で
退院してからは『中途視覚障害者のための点字入門』という本を買って勉強しました。
この本は50音やティラミスの”ティ”みたいな特殊音、アルファベットや数字などの全てが点字で書かれているので、実際に触りながら覚えられます。
これの良いところは、学習教材みたいにガイドCDがついているから、それを聴きながら進めれば、ポイントも実際に何て書いてあるかもわかるので、一人で勉強することができるんですよね!
ちなみに、見える人用に墨字(点字の対義語で一般的な文字)も書かれているので、見えるけど点字の勉強がしたい人にもおすすめですよ!
本の詳細はこちら→『中途視覚障害者のための点字入門』|日本点字図書館
最後の仕上げはリハビリセンターでの点字訓練。
通い始めた時に習得具合をチェックしてもらったところ、「すごい!ちゃんと読めてるから、どんどん本を読んでください」と褒めてもらいました。
結局読みは自分で習得し、書きだけ教えてもらうことになりましたね。
6点を全て打つ『め打ち』で打つ感覚に慣れたら、通所の度にちょっとした日記を書いていくっていう練習をしたんですね。
裏から書いて表で読む点字は、読み書きで点の位置が左右反転するから、最初はかなり頭を使って大変でした。
いまだに”分かち書き”はわからない・・・
点字には”分かち書き”というルールがあります。
点字は全てひらがなで書いているような状態なので、時々1マスあけないと読みづらいんですよね。
基本的には文節ごとに空けるんですけど、名前に敬称が付いてる時には敬称の前でマスを空けるとか、助動詞はどうだとか、形容詞はどうだとか、とーっても複雑なんです。泣
だから、この分かち書きルールだけはいまだにおぼえられません。苦笑
まぁ言いたいことは伝わるし、自分のメモくらいしか書かないからいいんです♪
点字を覚えて良かったこと
最初に書いたように、パソコンやスマホが便利になってきたことで、点字を覚えなくても困らなくなってきています。
実際、私も点字を使う機会はあまり多くありません。
でも点字の読み書きができれば、家の中の物を整理しやすくなったり、電車を乗る時にホームドアの点字で乗車番号がわかったり、トイレの流すボタンがわかりやすくなったり、役立つ場面はたくさんありますよ。
点字を覚えたいなと思っている方はぜひチャレンジしてみてください☆
コメント
とても分かりやすくて、参考になりました。
仕上げの項に、「なんて」がありますが、「何(なに)手(て)」と漢字が並んで、ちょっと分かりにくいです。「なんて」が「何手」と誤変換されたみたいです。
私は晴眼者ですが、点字を独習中です。ただし、凹点字が苦手なので、点字が打てません♪。パーキンス・プレーラー?(外国の点字作成機)が丈夫で便利そうですが、高いので、名前だけ覚えてます。
盲人の投票も参考になりました。
ナルッシさん、コメントありがとうございます!
誤字の指摘も助かりました♪
凹点字は脳トレですよね。
書く練習してたらあまり考えなくても打てますが、久しぶりだと怪しいです 笑
外国の点字器の名前は初めて聞きました。
私は1200円くらいの小型点字器しか持っていませんよ。
お手数をおかけしました。
(コメントは)宣伝の後だったんですね。ようやく見つけられました。
点字が読める(障碍者の)方は1割ぐらいなんですか。ビックリしてます。
数年前に「にってん」(文化祭)に行ったとき、アルバイトの方が「私たち(アルバイト)は、点字を目で読みますから、触読ができません」と聞きました。
触読は訓練が要るんですね。
雑談ですが、エレベータの「閉じる」ボタンに点字で「1、1246」と表示してありますが、これが「4、1246」に見えて、「ケェ」と勝手に判断してました♪。「1」と「4」の違いは、初心者には難しいです。
パーキンス・ブレイラー(外国製 点字印字器)は、やや大きい点字が打てるらしいので、初心者には好評らしいです。
追加解説です。
ネットのウィキにも解説が載っています。
→ パーキンスブレーラー(英語:Perkins Brailler)は、
→ 6点式点字タイプライターの一種。6点のキーを同時に押すことで、
→ 6点式点字を紙に打ち出すことができる。
→ 米国で製造されているが、日本では価格が13万円以上と高価なので、
→ 日本製のライトブレーラー等が使われることも多い。
実物は「にってん」以外にも、(点字教育をしている)「学校や団体」
に置いてありますが、特に希望しないと、存在に気づかないでしょうね。
パーキンス…は、米国製のため、頑丈で壊れにくいらしいです。
キーを打つと、直接、凸点字が印字されるので、使いやすいそうで。
日本の点字器は「カニ・タイプ」みたいなものでしょうかね。
(お返事不要)